今やコンビニエンスストアでも、何も言わなくてもお弁当を購入すると自動的におしぼりをつけてくれる店も少なくない。お弁当の入っているビニール袋に入っていると、少しホッとするものだ。

さて、海外ではペーパーナプキンこそ普及されているが、おしぼりは堂々たる日本独自の文化である。思い起こせば、自分が小学生だったころ、遠足時に母からお弁当と共にプラスチックケースに入った布おしぼりも合わせて渡された記憶がある。おしぼりは、いつから日本に普及したのだろうか?

とあるインターネットサイトによると、「おしぼりは元々、江戸時代後期にお公家さんが客人を家に招くときに出していた濡れ布が起源にある」との情報が確認できた。なるほど。その後、その濡れ布は後に木綿の手ぬぐいの普及から、旅籠(はたご)と呼ばれる宿屋の玄関先で客が桶の水に手ぬぐいを浸して反古れた手足をぬぐった、という行為から「おしぼり」という名がついたそうだ。

つまり、お客様へのもてなし=ホスピタリティが根底にあるのだ。そのため、お弁当と一緒にもらえるとチョット嬉しい。ホットコーヒーと一緒に渡されると、ほんわかした気持ちになるのだろう。

ここで、おしぼりを日常的に利用している場所にスポットを当ててみよう。おしぼりはどこで沢山利用されているか?コラム1でも触れた居酒屋しかり、他には先ほどのコンビニエンスストア、喫茶店、レストラン、ホテルなどが思いつく。レストラン、ホテル、は英語・ラテン語の辞書を引くと、それぞれRestaurant(休息=restする場所)、客人を意味するHospesから由来するそう。

おしぼりは、古来からある日本独自のおもてなし文化。その心は脈々と受け継がれて、2020年の東京オリンピックでも、日本のおしぼりが海外の方をおもてなしする日は近いだろう。