お店で布おしぼりが出てきたので、手を拭いてみたらモワッと不穏な臭いが――そんな経験がある人、意外といるのでは?
ここでは、おしぼりから異臭・悪臭が発生する原因や、不快な臭いのするハズレのおしぼりに当たってしまったらどう対処すべきか、について書いてみようと思います。
おしぼりから異様な臭いが発生してしまう、その原因は?
おしぼりから臭ってくる、あのなんとも言えない悪臭の原因。
それは、おしぼりで繁殖した大量の雑菌によるものです。
ある程度の雑菌はどんなものにも付着していますが、「悪臭発生」のレベルになると異常な数の雑菌が繁殖してしまっているサイン。
雑菌の繁殖の原因は、おしぼりをきれいに洗えていない、というのがほとんどです。
おしぼりに残った皮脂汚れや食べカスが取りきれていないと、それを餌に雑菌がどんどん繁殖してしまうんですね。
おしぼりの、あの不快な臭いの発生を防ぐには
おしぼりの衛生に関しては「全日本貸おしぼり協同組合連合会」で作り、厚生労働省が基準として採用した「環境衛生指導基準157号」と呼ばれているものが存在します。
それによると、
- 変色及び異臭がないこと
- 大腸菌群が検出されないこと
- 黄色ブドウ球菌が検出されないこと
- 一般細菌数は1枚当り10万個を超えないことが望ましい
が基準とされ、これをクリアしたものには『衛生マーク』が付けられます。
画像提供:愛知県リースおしぼり協同組合
包装フィルムにこのマークがついていれば、安心して使えるおしぼりだと考えて良さそうですね。
また、同指導基準では、おしぼりを清潔に保つ消毒・殺菌方法についても以下のように言及されています。
- 塩素剤による消毒
さらし粉、次亜塩素酸ナトリウムの遊離塩素250ppmの水溶液中に、3分以上浸す - 熱湯等による消毒
80℃以上の熱湯に10分以上浸すか、又は100℃以上の蒸気に10分以上触れさせる
これをしっかり守っていれば、おしぼりからあの異様な臭いが発生してしまうことを防げる、というわけですね。
おしぼりから異様な臭いがするときに取るべき行動は?
飲食店で出されたおしぼりに異常を感じたときは、その旨をお店の人に伝え、おしぼりを交換してもらうのがベストです。
そうすれば店側もお客に出しているおしぼりの臭いに気付けますし、自分のあとに嫌な思いをする人が出るのを防ぐこともできます。
普段の生活でできるちょっとした徳積みだと思って、優しく丁寧に伝えてみると良さそうですね。
それと、悪臭に気付けず、すでにおしぼりで手を拭いてしまっていた場合は、すぐに手を洗うことをおすすめします。
石鹸での洗浄はもちろん、併せてアルコールなどでの手の除菌も、雑菌や大腸菌、黄色ブドウ球菌への対策に有効です。